Fairstart Global - JAPAN -
家庭外に置かれた子どもたちを養育する施設スタッフおよび里親のための「フェアスタートトレーニング」

トピック B:グループのアイデンティティに関する専門的な仕事 3/5

C. 子どもたちのグループの役割と機能を支援する(影響力と自律)

グループでの自分の役割を見つけることは、容易なプロセスではありません。とりわけ、入所前の不適切な家庭環境により、自立することを覚えてきている子どもたちとは、衝突することがよくあります。このプロセスにおいては絶対に、子どもたちを叱ったり、罰を与えたりしてはなりませんが、セッション3で学んだように、安全基地の養育者として行動する必要があります。養育者は、衝突している場面で、頑なに譲らない態度を示しますが、子どもを愚か者扱いすることや体罰を与えることは絶対にしないでください。

混沌とした家庭から来た子どもたちは、必要以上の責任感を持っているか、または責任感に欠けることがありますので、普通レベルの子どもの責任の持ち方に調整するには、いくつかの問題を解決しなければなりません。子どもグループにはまた、リーダーとそれに従う者の関係が形成され、場合によっては、他の子どもとの境界を尊重するやり方を身に付けられなかったか、あるいは他の子どもからの暴力を経験したために、自分自身の境界を守れないことがあります。

役割を見つけるというこのプロセスは、グループの一部である振る舞いを定義して、子どもに社会的機能を与えることによって支えられます。子どもたちのほぼ誰もが、グループ生活に貢献することに意義を見出し、成し遂げたことに誇りを持つことを覚えます。

例:

  • 子ども部屋の掃除、食後の食器の片づけ、料理や買い物の手伝いなど、子どもたちの年齢に応じた責任を部分的に担う。
  • 年上の子どもたちが、特定の状況において年下の子どもたちに手を貸すといった日常的な役割担う、またはグループに新たに加わった子どもの「代理人」的な役割を担うなど、社会的義務を持つ。
  • お互いに対して振る舞いを抑制する責任。例えば、他の子どもたちと言い争いをするところまではよくても、叩いたり、ばかにしたりするのはよくない。
  • 養育者、とくに親代わりのスタッフに協力して、さまざまな手伝いをする責任を持たせる。子どもが手伝いをしない場合は、親代わりのスタッフにはつながりを教える仕事に力を入れて、子どもを手助けする責任がある。

後続の話し合いに向けて、この項目についての考えやアイデアをメモしておいてください(2分間)。

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