Fairstart Global - JAPAN -
家庭外に置かれた子どもたちを養育する施設スタッフおよび里親のための「フェアスタートトレーニング」

トピック B:安心感を与える養育者の在り方 5/5

安全基地と探索:子どもの遊びと他の子どもとのふれあい

乳幼児が、あまり不安を感じずに離れるということを覚えると、その子どもに安全基地が確立されます。
安全基地を持つ乳幼児は、分離不安のために泣いたり、しがみついたりすることに全力を費やさなくなります。
乳幼児と接するときは、最初はその子どものそばにいて、あまり動き回らないようにします。養育者がそばにいることで、その子は穏やかになり、養育者が居なくなってしまうことへの不安を抱かなくなります。
その子どもに安全基地を与えることができてはじめて、「探索」という他の行動が見られるようになります。養育者がそばにいることで穏やかになり、「愛着システム」の「電源」が切れて、「探索システム」という新たなシステムに自動的に電源が入ります。養育者が居続ける安全基地を確保した子どもは、養育者のそばから離れて、おもちゃで遊び、何かを学び、身の周りを探検し、好奇心を持ち、他の子どもたちとふれあい、小さなことに挑戦し始めます。これを、探索行動と呼び、子どもの成長には極めて重要な行動です。健全な子どもは、安心するまでの間、一時的に養育者にしがみつきますが、次第に、遊んだり、探検したりすることを始めます。これは、身の周りのことを学び、大きくなってからの教育と学習の意欲を身に着ける唯一の方法です。

そのため、安全基地を確保した子どもたちは、分離を避けることに全力を尽くす子どもたちよりも、多くのことを学びます。例えば、子どもを、新しいグループの仲間に入れようとすると、最初は、養育者の足にしがみついて泣く(愛着行動)傾向にありますが、その場に穏やかに留まれば、その子は自ら這い出て、おもちゃで遊び、他の子どもたちとふれあう(探索行動)ようになります。
そのときに、養育者が立ち上がり、その場を離れようとすると、その子は養育者のもとへ戻ってきて、しがみついて、養育者がその場から離れようとするのを阻止しようします(愛着行動)。

実践計画 - 次回のセッションまでの間に実践すること

実践提案:

  • 日常的な実践に取り組み様子を観察したり、日誌を付けたり、ビデオカメラや携帯電話のカメラ機能で撮影したりする。
  • 撮影したビデオを見て、仕事をしながら、どうすれば、子どもたちと心を通わせることができるかについて話し合う。
  • 日中のさまざまな状況において、どうして時々、日課的な仕事が最も重要だと思うことがあり、どうして時々、つながりを教える仕事が最も重要だと思うことがあるかについて、考えながら話し合う。

以下は、セッション4までの間に実践できることの例です。

  • 次回のセッションまでの間に実践することを1つ決めて、どうやって改善するかについて考える。
  • 具体的に日中のいつ行っているどの活動で改善を目指すのかを決める。
  • どのように実践の様子を観察またはビデオ撮影するかを決める。まずは、今までのやり方での子どもたちの反応を観察してから、新しいやり方で子どもたちがどう反応するかを観察する。
  • ここで話し合ったことをまとめて、誰が何をするかを日誌に記録する。

自己評価

選択問題(合計10問)を使用して、セッションで学んだ「専門的養育の実践アプローチ」について確認します。これは任意ですが、セッションを通じて取り組んできたことや学んだことを復習する良い方法です。

オンラインバージョンはオフラインでも動作するため、アドレスをブックマークしておいて、後で時間があるときに個別に復習することもできます。

印刷用のPDFファイルが開きます。各ページの一番下に答えが記載されていますので、配布の際はご注意ください。

|トップへ戻る|