Fairstart Global - JAPAN -
家庭外に置かれた子どもたちを養育する施設スタッフおよび里親のための「フェアスタートトレーニング」

トピックA: 家庭生活の価値を里親としての仕事の基礎にする

このトピックが意図することは、里親家庭を築くプロセスに家族の一人ひとりが携わるということです。
里親家庭は、最高の価値と実践を提供し、国や自治体からそのための養育費や里親手当を受け取ります。 里親としての専門能力が求められるだけではなく、家庭での生活という長期的な養育を里子に提供する義務があるということを認識しなければなりません。 このトピックでは、そのための話し合いを通じて、里子に提供できる価値を家族の全員と共有し、理解を促します。
家庭を特別な存在にするものは、価値のある家庭生活です。

実の子がいる場合は、里親として実子と、何かに気を取られずに話せる時間を確保します(携帯電話の電源を切るなど)。 自分の家族にとって大切な存在である友人や祖父母などをその話し合いに招くとよいでしょう。 最初の質問に時間を要した場合は、その他の質問について改めて時間を確保します。

メモ帳を用意してください(実子がいる場合はその子が絵を描くための紙)。

  1. 家族との生活で、全員が最高の日と言える一日(お互いに感謝し、大切に思い、笑顔に溢れる楽しい一日)を、家族で考えて、メモ帳に書き出す。 また、大変だったけれども、協力し合って難題を乗り越えることができた日のことでもよい。 その日が最高の日だと思う理由をお互いに説明し合いながら書くこと。
  2. 家族の一人ひとりが、自分の家族について最も価値があると思うことを3つ挙げる。 例えば、 夕食の時間は会話が弾む、何でも話せる、自分の家族の在り方を誇りに思うなど。 これを、家族の基本的価値として記録する。
  3. 家族として、里親としての力量について話し合ったことを箇条書きにする。
  4. 家族のそれぞれに、 家族の良いところと力量を、どう活用すれば、迎え入れようとしている(または既に迎え入れた)里子を大切にできるか、という質問をする。

トピックB: 地域の社会的つながりについての準備 - 支援者の特定

社会的つながりのある人(ネットワーク)のリストを作ります。これは、近所の小売店の店員、隣人とその子どもたち、友人、親せき、里子が通うことになる保育所や学校など、里子と会う機会がある、または里子にとって大切な存在となる可能性のある人のことです。

地域の集まりや行事などで、このネットワークの人々に、自分が里親になることを告知するとよいでしょう。 自分の日常生活について、道端で行き合った知人に話すことも考えられます。

里親になるという決心をしたこと、自分の家族の発展のために良いことと考えていること、里子を迎え入れることを楽しみしているといったことを最初から、か しこまらずに率直に話すことをお勧めします。 その際には、子どもが里親家庭で養育されることが恥ずべきことではなく、生みの親が育てられない子どもたちを養育するのは、社会の当然の責任であるとの自分の考えを説明しなければなりません。

里子について懸念や偏見を示す人との衝突を避け、単にその人の考えに耳を傾けるか、または、相手の気持ちを汲んで「里子と実際に合えば、考えが変わるかもしれませんよ」と話すとよいでしょう。

ネットワーク内の相談相手リスト

しばらくの間、周囲への説明に力を注いだ後、自分が里親になることについて好感を持つ人(相談相手)のリストを作ります。今後、その人たちから、自分の仕事にどのような協力を求めることができるかについて考えてみます。

このリストにより、今後、自分の社会的つながりの中にあるリソースが明らかになり、前向きな人たちとの良好な関係を築くことに努めることができます。

里親養育についてマイナスの印象や偏見を持つ人がいる場合は、どうすれば、そのような人の影響を最小限に抑えられるのか、または、どうすれば、地域の行事などで自分と里子がその人と顔を合わせる機会を通じて、前向きな姿勢を理解してもらえるかを考えてみるとよいでしょう。

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