Fairstart Global - JAPAN -
家庭外に置かれた子どもたちを養育する施設スタッフおよび里親のための「フェアスタートトレーニング」

トピック A: 日課的な仕事とつながりを教える仕事

子どもたちは、里親から、里親との絆の作り方、里親に対する健全な愛着の持ち方、物事のやり方、周囲との交流の仕方などを学ばなければなりません。
子どもたちは、養育者がつながりを教える姿をみて、社会的なつながりを覚えます。

この観点から考えると、養育を仕事とする里親は、孤児の人生において最も重要な人物になります。

お手本となる両親がいない子どもたちにとっては、里親がお手本としての拠り所になります。 そのため、子どもたちは、両親から学ぶべきことを、里親から学ばなければなりません。
これは、責任を伴う重圧ともなりますが、特別な役割でもあり、里親次第で、人生の良き基盤となる安全基地を子どもたちに与えることができます。
大勢の子どもたちの成長を担うというのは、簡単な仕事でありません。そこで、その仕事について、改めて考えてみましょう。

子どもたちと接する際、里親には常に2つの役割が伴います。 まず、子どもたちと遊んだり、服を着せたり、寝かせたり、お風呂に入れたり、おむつを交換したりといった「日課的な仕事」 がたくさんあります。 子どもに必要なこと(食べること、寝ること、遊ぶこと)を満たして、日中の行動に自然のリズムを持たせるために肝心なことです。 その上、里親には、子どもに服を着せながら話をしたり、子どもに反応したり、子どもの気を引いたり、子どもたちに微笑みかけて可愛がるといった「つながりを教える仕事」もあります。 これもまた、子どもに安心感を持たせ、健全な愛着を促し、一般的な社会的教育と精神的教育を行う上で、必要なことです。

この2種類の仕事のバランスを取るのは容易なことではでありません。 では、ここで、日課とつながりを教える仕事のバランスの取り方に関する3種類の動画を見てみましょう。 どの動画も同じ作業をしていますが、養育者の子どもとの接し方が異なります。

この女性は、日課的な仕事に集中していて、おむつを替えているときに、あまり子どもと心を通わせようとはしていません。 おむつを短時間で替えて、次の子へ進みますが、子どもは誰かと心を通わせるということについては何も学んでいません。

この女性は、日課的な仕事に集中していて、おむつを替えているときに、あまり子どもと心を通わせようとはしていません。 おむつを短時間で替えて、次の子へ進みますが、子どもは誰かと心を通わせるということについては何も学んでいません。

この女性は、心を通わせることに集中しています。まるで、おむつを取り替えるという仕事を忘れてしまったかのようです。しかし、その一方で、この子は、集中すること、喜びを感じること、人と触れ合うことをたくさん学んでいます。 おそらく、この3人の女性の中で、人とのつながりについて最も多くのことを子どもに教えているのは、この女性でしょう。

質問:

  • 最も大切または必要なことは何か。里親として、日課的な仕事とつながりを教える仕事のバランスをどのように取っているか。
  • 自分の家族内では、どのようにこのバランスを取っているか。 自分の両親は、どのようにバランスを取っていたか。
  • 自分の里親としてのこの養育バランス(現状)は、なぜそのようなバランスなのか。「これまでそういうやり方をしてきたから」か、それとも「忙しくてあまり気にかけたことはなかったから」か。
  • 日課的な仕事と人とのつながりを教える仕事のバランスを取ることについて、日常的に問題になることは何か。
  • 「一人の子どもに時間を費やし、気にかける」ことと、「子ども全員を気にかける」ことのバランスをどうやって取っているか。 子どもが大勢いる場合は、一人の子どもにかける時間と子ども全員にかける時間の判断が難しいものである。
日課をこなしながら、つながりを教える仕事を最大限に行うには、どうすればよいか。

理解度チェック

• 里親が、孤児の人生において最も重要な存在である理由は何か。
• 日課に集中する際に大切なことは何か。
• つながりを教えることに集中する際に大切なことは何か。
• 日課とつながりを教える仕事の両立する上で難しいことは何か。

「今すぐにできること」 トピックBへ進む前に、一旦ここで、実践活動へ進んでも構いません。その場合は、
日常的な実践に取り組み様子を観察したり、日誌を付けたり、ビデオカメラや携帯電話のカメラ機能で撮影したりします。 撮影したビデオを見て、仕事をしながら、どうすれば、子どもたちと心を通わせることができるかについて話し合います。 日中のさまざまな状況において、どうして時々、日課的な仕事が最も重要だと思うことがあり、どうして時々、つながりを教える仕事が最も重要だと思うことが あるかについて、考えながら話し合います。

「今では、日課的な仕事とつながりを教える仕事に区別がありません。 このセッションで、両方の仕事を同時にすることを覚えました。 おかげで、私はリラックスしていますし、子どもたちも楽しそうにしています。 そのため、私は子どもたちとゲームをして遊ぶことができて、子どもたちは私に抱き付きます。 何よりも、子どもたちは何があっても私がいるということを知っています。
- 体験談 -

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