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Fairstart Global - JAPAN -
家庭外に置かれた子どもたちを養育する施設スタッフおよび里親のための「フェアスタートトレーニング」

トピックB: 身体能力に限界のある障がいを持つ子ども - 普通の日常的関係を助長する

二次的な障がいを作らないことが肝心です。 二次的な障がいとは、既存の障がいにより、その子が孤立したり、その子とのつながりが少なったりすることを意味します。 よくある二次的な障がいは、その子を動けないままにして、周囲との会話やスキンシップがなくなってしまうことが原因です。

例1

アンナちゃんは、生まれつき目が見えません。 そのため、アンナちゃんは毎日ベッドや車イスで過ごし、一人で歩いて動き回ったことが一度もありません。 これは、アンナちゃんの脳の発達が生涯にわたり極度に妨げられてしまい、認知能力や社交能力の発達も途絶えてしまうことを意味します。 アンナちゃんの筋肉も衰えてしまいます。

例2

スタッフはよく、生まれたばかりのアンナちゃんを膝の上に乗せたり、揺りかごに寝かして揺り動かしたりします。また、感情を表現し表情豊かなシンプルな言葉で話かけて、アンナちゃんの気を引きます。 テレビやラジオなどの音声装置をすべてオフにして、アンナちゃんが耳でエコーや音を聞き分けられるようにします。 アンナちゃんが歩き始めたころ、スタッフは静かな部屋と棒(白杖のかわりになるもの)を用意して、アンナちゃんが、その棒で周囲にあるものを軽く叩きながら、その音を聞き分けて歩き回れるようにします。アンナちゃんが一人で歩き回れるようになるまでは、スタッフがアンナちゃんと手をつないでいます。 さらにスタッフは、アンナちゃんが大切なつながりを覚えて、馴染み方や交流の仕方を身に着けられるように、アンナちゃんに犬を買います。 これは、盲導犬との将来の生活にアンナちゃんを備えさせることになります。

例3

マリアちゃんは、車いすで育ちました。両腕は麻痺していて使えません。 そのため、回復の望みのないケースと考えられていました。 マリアちゃんが10歳になると、スタッフは、マリアちゃんの額に布で小さなピンを固定するアイデアを思いつきました。 このアイデアにより、アンナちゃんはコンピューターのキーボードの文字ボタンをタッチして、コンピューターが再生したその文字の音声を聞くことができるようになりました。 2年後、アンナちゃんは読み書きができるようになり、知的障がい者から健常者へと診断が変わりました。

例4

マルチネスくんは、自閉症と診断され、不思議な行動や癖があります。 周囲との交流が苦手で、周りにいる他の子どもたちが大勢いると叫び声を上げることが頻繁にありました。 それでも、スタッフはマルチネスくんの素晴らしい計算能力と記憶力を活かす努力しました。 電話番号を知りたいときや、施設の日常的な経理作業をするときは、答えを知っているマルチネスくんに質問しました。 10歳になったマルチネスくんは、学校で開かれた数学コンテストでチャンピオンになりました。

 自由に動き回ったり、スタッフと触れ合ったりする能力に限界がある障がいを持つ子どもたちと接するときに、忘れてはならない原則がいくつかあります。

  • 障がいのない子どもと接するときはどうしているか考えてみること。 大人の日常的な社会的交流をみて、子どもたちは障がいとは関係なく、反応(交流)の仕方を覚えるため、注意が必要である。
  • 日々の活動に子どもが参加して、施設や里親家庭での社会生活において活躍できる方法を見つけること。
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