日常生活において民主的手順を実践する
民主的な意思決定の要点は、グループまたは家族での決め事に参加することができて、それぞれの考え方に耳を傾け、尊重することにあります。そのため、子どもたちを重要な参加者としてトレーニングできる日常的な実践にすることが重要になります。 ここでは、実践について、いくつかの提案を上げています。
責任と民主的意思決定の活動
家族ミーティングを始める前に、以下の質問について考えてみてください。
- 里親家族とは、引き取り手のない子どもたちがいるところで、今後どうにかなるのを待つだけの場所ですか?
- それとも、里親家族は、日常的な生活の中で、子どもたちが重要な役割を持ち、子どもが大切にされ、周囲の大人がが子ども一人ひとりの考えやアイデアに耳を傾け、その努力が評価されるところですか?
- 共通の利益に貢献できているという実感ほど、子どもたちの自尊心を高められるものはありません。
日常的な活動における提案、ステップ 1
このステップでは、子どもたちが協力し合わなければならない状況において、一人ひとりが何をすべきかを自発的に考えられるように協力してください。
家族の対話
家族ミーティングを始める前に、以下の質問について考えてみてください。
子どもたちが、「子どもの権利」を理解するための活動を計画する(30分間)
この対話では、家族全員(夫婦、実子、里子)で話し合いをします。子どもたちが困惑することのないよう時間をかけて、10ヵ条を少しずつ子どもたちに教えられるよう計画してください。
子どもの権利について家族が認識し、家族メンバーの年齢に応じてそれを理解できるよう学ぶするにはどうすればよいのか。また、権利という主題を子どもたちにどう説明すればよいのか。
各権利について、どのような活動(図画、作文、意見交換、映画、寸劇など)を考えればよいのか。
日常生活のまとめ方についての提案、ステップ 2
• 十ヵ条リストの第1条について説明し、1週間後の話し合いで、第一条について学んだことが家族内で実践されていると感じられるかを子どもたちに問う。続いて、第二条について説明する。これを、十ヵ条すべてについて繰り返す。
権利について子どもたちが理解するためのアクティビティを続ける中で、権利を義務と結び付けて、子どもたちにある程度の日常的義務を与え、その週にその義務を遂行できたときには褒めてあげると同時に、責任を持って義務を遂行したことによって、子どもたちは何かしらの問題について周囲から耳を傾けてもらう権利を得たということを説明する。例えば、
「○○ちゃんは、先週の月曜日に、夕食ときに誰もわたしの話を聞いてくれないと言っていたわね。だからこれからは、○○ちゃんの話をちゃんと聞くことにしたのよ。夕食のときに2分間、○○ちゃんがその日に何をしてどう思ったかを話してね。」
権利について子どもたちに教えると、逆に、子どもたちは、その権利が迫害されることもあるという現実に気が付き、それについて話し始めるようになることがあります。例えば、
「学校でね、私はロマの子だからって、みんなにいじめられるの」
このようなことがあった場合、子どもが、その子の権利について知っていて、理解していると、前向きな姿勢が得られます。これは、里親にとって、権利について話し、里親家庭内で力を入れて実践するだけではなく、偏見に立ち向かうことが時として辛いことであることを話す理想的な機会になります。また、これが、これらの権利について、世界中の人々が同じように考える理由でもあります。