トピックA: 子どもたちが「子どもの権利」を知るための活動を計画する
グループでの話し合い
30分間
「子どもの権利10ヵ条」をスタッフに配布し、まずそれについてスタッフとしてどう考えるかを話し合います。
続いて、子どもたちが困惑することのないよう時間をかけて、10ヵ条を少しずつ子どもたちに教えるための計画をします。
- いつ教えるのか - 例えば、月に一度、子どもたちが権利について学ぶために集まる時間を設ければ、年齢に応じて、権利の1つ1つを理解できるのか。 また、権利という主題を子どもたちにどう説明すればよいのか。
- 各権利について、どのような活動(図画、作文、意見交換、映画、寸劇など)を考えればよいのか。
- これらの活動をまとめる適任者は誰か。
民主主義の要点は、グループまたは家族での決め事に参加することができて、それぞれの考え方に耳を傾け、尊重することにあります。 これを身に着けるには、当事者である子どもたちが中心となってそれを学ぶための日常的環境を作ることが不可欠です。
役割分担と民主的グループの形成
スタッフグループにおいて、以下の質問を当てはめて考えてみてください。
- 施設とは、引き取り手のない子どもたちがいるところで、今後どうにかなるのを待つだけの場所ですか?
- それとも、施設は、日常的な生活の中で、子どもたちが重要な役割を持ち、子どもが大切にされ、周囲の大人がが子ども一人ひとりの考えやアイデアに耳を傾け、その努力が評価されるところですか?
- 皆にとって共通の利益に貢献できているという実感ほど子どもたちの自尊心を高めるものはありません。
日常的な活動における提案、ステップ1
- 子どもたちを6人ごとのグループに分けます。
- このグループは、以後の施設での暮らしにおけるセキュア・ベース・グループです。 つまり、「家族」グループです。
- グループごとに子どもたちが、誇りに思えるグループの名前(「スーパーマン」、「チューリップ」など何でも可)とシンボル(鳥、ライオン、朝日、オラウータンなど何でも可)を考えます。 グループごとに、グループの名前が入ったポスターを作り、日常的に子どもやスタッフの目につくところに貼ります。
- 各グループが担当する日常的な役目を決めます。 例えば、月曜日の調理・給仕当番は「チューリップ」グループが、火曜日の清掃当番は「スーパーマン」グループ、木曜日の夜食後の片づけと食器洗いの当番といったことです。
- また、どのグループにも、施設での年に一度の祝祭を計画する役目があります。
スタッフはこの過程で、グループとして力を合わせる際に、子どもたち一人ひとりが何をすべきかを自発的に考えられるように協力してください。
日常的な活動における提案、ステップ2
- グループごとにグループ長を決める選挙を実施する日を決めます。 グループ長の任期は3ヵ月です。
- グループ長は、各グループの週に1回30分の「こどもミーティング」で進行役を務めます。 このミーティングは、子どもたちが施設内の活動、改善点、解決しなければならない問題について提案する場です。
例: 「石けんがない」、「学校でいじめられている子がいて、助けが要る」、「〇〇をお祝いするパーティを開きたい」 - また、ミーティングで話し合ったことや決めたことを記録する書記係もグループごとに決めます。
- 各グループを担当するスタッフを割り当てます(1グループに1スタッフ)。 グループ長と担当スタッフは、こどもミーティングの後、 ミーティングで出された問題や課題にどのように対処するかについて話し合います。
- グループ長には、その話し合いの内容をグループのメンバーに伝える役目があります。
- また、担当スタッフ同士で、「こどもミーティング」で子どもが提案したことや、それを実現することができるのか、実現できるのであればいつそう実行するのかについて話し合います。