トピックB: このプログラムの最初の取り組み:愛着と別れに関する個人的な知識
このセッションでは、子どもが養育者との別れを経験したときの反応について、すでに知っている貴重な知識について改めて認識を深めます。 これは、里子について理解し、働きかけるための情報源として自分の人生経験をどう活用するかを理解する上で役に立ちます。
ここでは、里親(配偶者)同士、または里親とスーパーバイザー同士、お互いにインタビューをします。
- 成長する過程で大切な人に「愛着」することについて、お互いにどれくらいの知識があるのか、また、大人になる過程での大切な人との別れに自分がど う反応したかを知ることがこのインタビューの目的です。 また、専門の養育者としての行動に、里親が、自らの幼少期の体験をどう活用すればよいかについて話し合うことも、このインタビューの目的です。
- 2人一組でお互いに一人あたり20分程度のインタビューをします。
- 一人が質問者になり、もう一人が回答者になり、役を交替して、お互いに同じ質問をします。
- インタビュー後、お互いの知識について、話し合います。
インタビューの質問は以下の通りです。箇条書きになっていますので、適宜、わかりやすい(やわらかい)表現にして質問してください。 回答者の話を中断せずにしっかり聞いてください。
インタビュー
幼少期について
- 母親が自分を妊娠したときの家族事情 - 両親はどこに住んでいたか、そのときの両親の年齢、子どもは何人いたか。
- 母親は妊娠中にどのような生活をしていたか、自分が生まれたときのことを知っているか。 (両親から聞いたことはあるか。)
- 生まれてから3歳になるまで自分の面倒を見てくれたのは誰か。
- 生まれた地域での伝統的な子育て方法は何か。
- 両親が自分にしてくれたことで一番良かったことは何か。
- そのことが、家庭についてどのような価値を自分に与えたか。
- 子どものころの親または親代わりの養育者との生活の中で、最も安らぎを感じたこと、元気づけられたことは何か。
- 記憶にある中で、生まれて初めての大切な人との長期的または一時的な別れはどのようなものだったか。
- それにどう反応したか。何を考えたか。どんな気持ちだったか。どんなことをしたか。
- その別れにどう対処しようとしたか。何を考えたか。どんな気持ちだったか。どんなことをしたか。 (親/親代わりの養育者に対する憎しみはあったか、「心が凍った」か、忘れようとして/無視していつもどおりに過ごしたか、悲しかったか。)
- 辛い別れを乗り越えられるように大人が手助けしてくれたことで、最も役に立ったことは何か。
里親という仕事について
- なぜ里親になったか。
- 自分の幼少期の経験を思い返したときに、専門の里親としての自分にとって最も大切な基本的価値は何か。子どもの養育に最も大切なことは何か。
現在の里親としての仕事について
- 養育している里子のことをどう思うか。
- 毎日の仕事の中で、最もやりがいのあること、最も難しいことは何か。
- 子どもが抱えている問題に、自分が過去に経験した問題が重なることはあるか。 その場合、どうすれば、その経験を、子どもたちと接するときに役立てられるか。
- より良い里親になるために自分が最も取り組まなければならないことは何か。
- それをサポートするために、配偶者やスーパーバイザーにできることは何か。