2.3. トピック B: 探索行動を促す乳幼児の安全基地作りに取り組む
愛着システムが活性化していると、乳幼児は、養育者との分離を避けることにすべてのエネルギーを費やしますが、これは、赤ちゃんにとって、とても体 力の要ることです。 一方で、養育者には、他にもすることがあるので、乳幼児は「離れても大丈夫である」ということを覚えなければなりません。 養育者がそばを離れても、不安にならなくてもよいということを乳幼児に教えるにはどうしたらよいのでしょうか。
養育者は、乳幼児が分離不安を抱かずに離れられるようにするために、2つのことをします。
- 1つ目は、乳幼児から徐々に離れ、乳幼児が過剰に反応しないようにする。
例えば、乳幼児が寝付いてからそばを離れ、泣きだしたら乳幼児のところへ戻り、あやします。 そこから、少しずつ、乳幼児のそばから離れる時間を長くしていきます。 これは、保育所などで朝、親が子どもから離れる際によく見られることです。 しばらくすると、親がそばを離れても、子どもは不安を抱かなくなります。 親が突然にそばを離れたり、子どもを叱ったりすると、子どもは泣き続けて、パニック状態を繰り返すことでしょう。
- 2つ目は、養育者がそばにいなくなっても、乳幼児が養育者を覚えていられるようにする。
例えば、子どもと「いないいないばあ」やかくれんぼをします。 養育者が楽しいことをしながら、ドアの後ろに一時的に隠れて、子どもが不安になり過ぎる前に、子どものところへ戻ります。 これにより、子どもは「お母さんの姿が見えないときでも、お母さんはそばにいる」ということを覚えます。 また、こうすることで、養育者がしばらくの間、乳幼児のそばを離れても安心して居られるようにすることができます。
プロの養育者として、乳幼児のそばで、この2つのことを実践して、乳幼児が穏やかに離れられるように教えなければなりません。