Fairstart Global - JAPAN -
家庭外に置かれた子どもたちを養育する施設スタッフおよび里親のための「フェアスタートトレーニング」

グループでの話し合い

普段 ふれあいを求める子どもたちに、もっと気を配って反応するとことができるのは、どのようなことをしているときでしょうか?
 
相互の触れ合い: 養育者1人と子どもたち4~6人程度のグループで、相互のふれあいに十分に気を配るために毎日していること(合唱、遊戯など)はありますか? 赤ちゃんの日課的な仕事をしているときに、どうすれば相互に触れ合うことができますか?
 
感情に敏感に反応する: 日課的な仕事(食事、着替えなどの世話)をしてきるときの特定の子どもの反応について考えてみます。 その子の世話をするときに、最も効果的にその子に関心を抱かせられる方法は何ですか? どうすれば、その子の感情に敏感になれますか?スタッフがどのような行動をすると最も効果がありますか?
 
子どもにとって身近な存在になる: 子どもがスタッフの関心や助けを必要とするとき(恐怖、不安、不満、痛みなどで)、その子は、スタッフがそばに来てくれるまでに、どれくらい待たなければ なりませんか? 子どもが助けを必要としている場合には、決まりに則るだけではなく、その必要に応じて対応しなければなりません。 少数のスタッフで大勢の子どもたちの世話をしている場合に、この課題をどう克服すれば、子どもたちにとって可能な限り身近な存在になれるのでしょうか?
 
子どもと同じ感情を持つのではなく、子どもの気持ちをくみ取る: 子どもが不快に感じたり、怒ったり、絶えず口論したり、イライラしたり、八つ当たりをしたりするのはどんなときですか? その子の感情は、スタッフにどのような影響を与えて、スタッフはどのような反応をしますか? その子に聞き分けがないときや極度に興奮していても、何が起こったかを考えて、落ち着いて、動じずに、優しくするには、どうすればよいですか? 子どもたちのどのような行動が、スタッフを怒らせたり、イライラさせたりしますか? 興奮している子どもたちと一緒になって興奮しないためには、特にどのようなことに注意すればよいですか?
 
子どもの考えていることや感じていることを反映する: 子どもたちの世話をしながら、子どもたちにどのように話しかけますか?例えば、 子どもの世話をしているときに、その子に、そのときにしていることについて話かけます。 「じゃあ、このおもちゃで遊んでみましょうか。〇〇ちゃんは、このおもちゃを初めて見るから、少し怖いかな?でも大丈夫よ。どんなおもちゃが一緒にみてみ ましょう」、あるいは「いま、哺乳瓶でミルクを飲んでいるのよ。とてもお腹が空いていたのね。ミルクを飲むのはとてもいいことなのよ。幸せな気持ちになる でしょ?」

提案(実践計画のヒント)

  • どうすれば、子どもたちとのつながり方(相互の触れ合い、感情への敏感な反応など)を改善できるかについて話し合う。
  • どうすれば、「つながりを教える仕事」に改善をもたらすことができるか、日常的な例を挙げて、話し合う。
  • 「つながりを教える仕事」を改善するにあたり、特にどのような問題があるかについて話し合う(例えば、「忙し過ぎる、何か新しいことをするのは困 難である、子どもの数に対してスタッフの数が圧倒的に少ないなど)。また、どうすれば、その問題のいくつかを克服することができるかについても話し合う。
  • 子どもが安心する養育者の行動を実践するにあたり、どうして従来の否定的な態度が障壁になるかについて話し合う。例えば、
    • 「私の両親はいつも私を叱りました。だから、それをしないで済むやり方がわかりません」
    • 「あくまでも仕事であるため、子どもとの個人的なつながりを持つべきではない」
    • 「私たちには、すべてのことを実践する時間もエネルギーもありません」
    • 「子どもたちが私に愛着を感じ始めたら、私が離れようとすると悲しい顔をするし、私も悲しくなる」

この障壁として挙げられた理由は、どれもある程度、もっともな理由ではありますが、改めなければならない考え方や習慣であり、どれも子どもの成長に とって良いことではありません。 自分の両親から受けたケアがあまり良いものではなかったとしても、良い養育者になるための実践をすることは、今からでもできることです。
子どもたちと個人的なつながりを持つことや、スタッフとの間に愛着関係を形成することは、養育の専門家としての仕事に含まれます。 愛着対象となったスタッフが子どもから離れようとすると、子どもは確かに悲しい表情を見せることはありますが、それも人生の一部です。スタッフの誰とも個 人的なつながりを持つことを全く覚えないよりは、ずっと良いことです。孤児と接するスタッフは、「親代わりの愛着対象」でもあります。

グループでの話し合い

日常の活動を新しいやり方に、どう整理すれば、「つながりを教える仕事」ができるかについて考える。
  • 「時々、忙しいことがあるし、あまり気にかけてあげられないので、仕事を分担してみてはどうですか。そうすれば、気にかける余裕ができますし、もっと構ってあげられると思います」
  • 「スタッフ一人あたりの子どもの数が多いので、みんなで一緒に何かをしながら、その中で、一人ひとりに気をかけられることをします。 例えば、スタッフが1人の子どもと何かをする様子を他の子たちがみんなで見られるような活動を考えて、それを毎日(午後)やってみてはどうでしょうか」

実践計画 - 次回のセッションまでの間に実践すること

  • 次回のセッションまでの間に実践することを1つ決めて、どうやって改善するかについて話し合う。
  • 具体的に日中のいつ行っているどの活動で改善を目指すのかを決める。
  • どのように実践の様子を観察またはビデオ撮影するかを決める。 まずは、今までのやり方での子どもたちの反応を観察してから、新しいやり方で子どもたちがどう反応するかを観察する。
  • ここで話し合ったことをまとめて、誰が何をするかを日誌に記録する。

自己評価

セッション内容の理解度を確認するための自己評価または小テストを行う場合は、以下のリンクからPDFファイルを印刷してください。 このPDFファイルの最後のページには、各質問の答えが記載されているため、小テストを行うときは、その部分を隠して配布することをお勧めします。

PDFファイルを開くにはコチラをクリック
 
お疲れさまです。セッション4 はこれで終了です。次回のセッションまでの実践が順調に進むよう、しっかり取り組みましょう。

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