1.4. 大切な人との別れとその克服についての人生経験
インタビュー
スタッフが2人一組になり、お互いにインタビューをします(2人 x 20分)。
このインタビューの目的は2つあり、1つは、お互いに「愛着」について知っていることや、大人になる過程で大切な人との別れにどう反応したかを知ることで す。 もう1つは、プロの養育者として、子どものころの体験をスタッフ一人ひとりがどのように活用すればについて話し合うことです。
2人一組でお互いに一人あたり20分程度のインタビューをします。 一人がインタビューする役になり、もう一人がインタビューされる役になり、役を交替して、お互いに同じ質問をします。 2人一組でのインタビューが完了したら、そこから分かったことをスタッフ全員に一人当たり5分程度で発表します。
インタビューでする質問は以下の通りです。箇条書きになっていますので、適宜、わかりやすい(やわらかい)表現にして質問してください。
幼少期について
- 母親が自分を妊娠したときの家族事情 - 両親はどこに住んでいたか、そのときの両親の年齢、子どもは何人いたか。
- 母親のお腹にいたときや自分が生まれたときのことを知っているか。 (両親から聞いたことはあるか。)
- 生まれてから3歳になるまで自分の面倒を見てくれたのは誰か。
- 生まれた地域における伝統的な子育て方法は何か。
- 両親が自分にしてくれたことで一番良かったことは何か。
- 子どものころの親または親代わりの養育者との生活の中で、最も安心して快適だと感じたのはどんなときか。
- 記憶にある中で、生まれて初めての大切な人との別れはどのようなものだったか。それは辛いことだったか、取るに足らないことだったか
- その別れにどう反応したか。何を考えたか。どんな気持ちだったか。どんなことをしたか。
- その別れにどう対処しようとしたか。何を考えたか。どんな気持ちだったか。どんなことをしたか。 (親/親代わりの養育者に対する憎しみはあったか、「心が凍った」か、忘れようとして/無視していつもどおりに過ごしたか、悲しかったか。)
- 施設で生活している子どもたちの中に、自分がしたような反応を見せた子はいたか。それは誰か。
職業について
- なぜこの仕事に就いたか。
- プロとして最も重視している基本的価値は何か。子育てに最も大切なことは何か。
現在の仕事について
- 現在施設で暮らしている子どもたちはどこから来たのか。
- 子どもたちが抱えている問題は何か。
- 毎日の仕事の中で、最もやりがいのあること、最も難しいことは何か。
- 子どもたちが抱えている問題に、自分の過去が重なることはあるか。 その場合、その経験を、子どもたちと接するときに役立てているか。
- プロの養育者になるために自分が取り組むべきこととして最重視していることは何か。 それをサポートするために、リーダー(上司)にできることは何か。
インタビューのまとめ
自分の考えを5分程度にまとめて、皆に発表します (参加者の人数が多い場合は2分程度)。グループでの話し合い
(15分程度)- スタッフ全員の幼少期の経験を聞くことが、子どもの反応とケアの必要を理解する上で役に立ったかどうかを話し合います。 子どもの養育に関するスタッフの人生経験やそれについて自分が考えることは、プロの養育者としての能力開発において最も重要な部分です。
- ここから得られた知識をどのように役立てるかについて話し合います。 例えば、スタッフが日常的に行う「安心させる行動」と「離れる行動」に対する子どもの反応を観察するにはどうすればよいでしょうか。
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