トピックA: 思春期についての対話
思春期の変化は、若者を不安にさせるものです。 思春期に予想されることについて、子どもの頃から準備しておくと、不安を和らげることができます。 日常的な対話の中で、身体の変化、異性についての考え、養育者であるスタッフとの関係にどのように移り変わりがあるかを、子どもに話しておくことができま す。
A. セッションの始めに出てきた質問の考えを踏まえて、自分の思春期がどうだったかを子どもに話す。 辛かったことは何か。思春期に辛いことがあっても、それをどう乗り越えて、成熟した大人に成長したか。
B. 思春期の子どもがなぜ、反抗的になり、スタッフや実親に失望するかについて、特別に話す。 思春期のそのような感情は自然なことであるということを説明し、そのような振る舞いをする子どもを責めず、また個人的に受け止めないようにする。 当然のことながら、振る舞い方とコミュニケーションの取り方のルールもあります。
このような話を子どもにしても、その時は興味を示さないかもしれませんが、年頃になってから、説明されたときにこのことを思い出せるため、将来に改めて話す際の切り口になります。
思春期の子どもには、お手本となる存在が必要であり、興味の対象になりますが、施設内に、その子の経験に相応するお手本役が必ずしもいるとは限りません。
子どもたちは一般に、混乱や葛藤のある境遇を持つ同年代の子どもに関する書籍などに関心を持ちます。
The Struggle/De Worsteling
Suzanne over haar adoptie
© Universiteit Utrecht, Afdeling Adoptie, David Blitz productions
ドイツ語動画、英語字幕
フェアスタートではこの動画を本ウェブサイトで公開するための許可を得ています。
動画の詳細: http://research.fss.uu.nl/nietgen/adoptie_uni.htm
子どもたちに、アイデンティティの発達(疑心、夢、問題、および欲望)についてのそれぞれの考えが盛り込まれたビデオインタビューを作成するよう提案します。 子ども同士でペアになり、一緒にビデオを作成して、発表してもかまいません。 このビデオのコピーをその子自身のライフストーリーの一部としてその子が施設を巣立つ際に渡せるように保管しておくとよいでしょう。
10代の子が大勢いる場合は、全員でビデオを作成するよう提案することもできます。例えば、それぞれの希望、夢、不安、心配事などをまとめたり、養育者と実親のことをどう思っているかなどを盛り込んだりすることができます。子どもたちがこのビデオをスタッフに向けて発表し、鑑賞後に話し合う機会を設けることをお勧めします。 このビデオ作成活動が楽しくできるように手配してください。 場合によっては、学校でこのビデオを発表して、施設に暮らす思春期の子どもたちについての同年代の子どもたちの理解を深めるのもよいでしょう。 その際には、学校の先生と相談してください。