Fairstart Global - JAPAN -
家庭外に置かれた子どもたちを養育する施設スタッフおよび里親のための「フェアスタートトレーニング」

トピック B:安心感を与える養育者の在り方 2/5

「安全感を与える接し方」とはどういう意味か。子どもが安心できる関係を与えて、子どもの健全な愛着パターンを促すために「養育者がすること」について、科学的研究が行われています。

ここで、5種類のビデオを見てみます。それに添えられている説明文を読んでから、ビデオをみます。 各ビデオに登場する養育者は、子どもが安心できる関係を作り、子どもの健全な愛着パターンを促すために何をしているか考えてみてください。


ビデオ 1

このビデオの養育者は、赤ちゃんがふれあいを求めるときに頻繁に反応し、率先して赤ちゃんと触れ合い、刺激を与えています。耳に心地良い声で話しかけて、顔の表情を変化させて感情をわかりやすく表現し、目を合わせて話そうとしています。


ビデオ 2

このビデオの養育者は敏感に反応しています。 日課的な仕事(食事、着替え、歌/遊戯など)をしながら、子どもの感情を読んで、柔軟に仕事をはかどらせ、子どもの気持ちが沈んでいるときには、あやしながら靴を履かせるが、子どもの機嫌がよいときには、靴を履くことが遊びにもなります。 敏感になるということは、規則やいつものやり方に従うことにこだわりすぎず、その時々に子どもが感じていることを理解し、それに合わせることで、子どもの意欲を掻き立てるということです。


ビデオ 3

このビデオの養育者は、子どもが助けを必要とするときに、子どもがそれをしやすい身近な存在であることを表現しています。子どもたちはみな、大人の養育者に安らぎ、保護、扶養を求めます。身近な存在とは、子どもたちにとって、必要なときに助けや注目を得やすい親しみのある存在であるということを意味します。子どもが助けを必要としているときは、子どもが待たずして助けを得られるように、無条件で助けてあげなければなりません。


ビデオ 4

このビデオでは、子どもが怒ったり、悲しんだり、死にもの狂いになったりしても、養育者は子どもに振り回されることなく、その子どもを思いやります。子どもが興奮していたり、怒ったりしていても、養育者が興奮したり、怒ったりすることはなく、いたって、落ち着いています。子どもを叱ったり、または罰を与えたりしません。養育者の表情が堅くなることはありますが、子どもと一緒になって怒らず、優しい落ち着いた声で子どもに話しかけます。子どもが機嫌を損ねているときに、養育者も機嫌を損ねると、子どもはもっと不安になります。


ビデオ 5

このビデオの養育者は、子どもが感じていることや考えていることに関心を示し、それを「表現する」ことを試みています。 赤ちゃんが言葉を理解できるようになる前でも、養育者は仕事をしながら(おむつを替えながら)、子どもが感じていることや考えていることについて話しかけます。例えば、赤ちゃんが養育者を見つめると、「あら、わたしを見ているの?うれしいわ。ご機嫌ね、そうでしょう?」といった話しかけをすることがあります。または、おむつ替えをしながら、「新しいおむつは気持ちがいいわね。おむつを替えてくれて「ありがとっ」って顔しているわね。」このような接し方をすると、赤ちゃんは言葉と感情の結びつきを覚えて、自分自身や他の人のことを理解することを学びます。


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