トピックA:健全な脳の発達と愛着に物理的刺激が極めて重要である理由 2/4
他のことをしながらでも赤ちゃんに刺激を与えられるツール「ママの延長線」
人類が移動し始めたころ、女性は移住生活をしながら赤ちゃんを刺激したり、母乳をあげたりする新たな方法を見つけなければなりませんでした。女性のみが、その上半身前に2つの胸を持ち、原始時代の女性たちは、赤ちゃんを腕に抱えて移動していました。おそらく、人類が世界のあらゆるところまで拡散した理由は、乳飲み子を抱えた母親が長い距離を歩くことができたために、人の集団が次から次へと定住の地を求めて移動したのではないかと考えられます。また、人間の赤ちゃんは、生まれつき頭が大きく、カンガルーのように、赤ちゃんの脳は機能する準備が整うよりもずっと前に、生まれてきます。生後9ヵ月の間は、「妊娠を子宮外で完了させる」といっても過言ではないでしょう。赤ちゃんの脳の活動は、生後9~12ヵ月が経過したところでやっと安定します。
継続的な刺激を確保する道具
これまでに、母親が他のことをしながら、赤ちゃんとのスキンシップも取れる道具が使われてきました。
例えば、
- ベビースリングを使って、母親は赤ちゃんを抱っこしたままの状態で、手仕事をする。
- 母親に抱かれているような刺激パターンを疑似するものとして、
- ハンモック
- ゆりかご
- 抱っこひも、キャリー(キャリア)などを使う。
- 肌のような刺激のある布で、赤ちゃんを巻く。
このような道具を使用することで、母親が他のことをしていて、母親が物理的に赤ちゃんに触れていなくても、刺激が継続されます。つまり、いわば「ママの延長線」として、赤ちゃんの脳の活動を活性化し続けることができます。
グループでの話し合い
10分間- 自分の父母や祖父母は、どのように赤ちゃんを刺激したか?自分の父母や祖父母は、あなたを前抱っこ、または背におぶって移動したか?刺激する道具を使用したか(ゆりかご/クレードル、ハンモックなど)?
- 自分の子どもに、これらの道具を使用したか?
施設で生活している1歳未満の乳幼児についての質問:
- その子たちを前抱っこ、または背におぶって移動しているか?
- その子たちは、どこで眠っているか(ベビーベッド、ゆりかご/クレードル、バウンサー、ハンモックなど)?
- その子たちは、起きている時間のどれくらいをベッドまたは揺れ動かないところ(乳幼児用の囲い/プレイペン、ベビーカーなど)で過ごしているか?