Fairstart Global - JAPAN -
家庭外に置かれた子どもたちを養育する施設スタッフおよび里親のための「フェアスタートトレーニング」

トピックA:健全な脳の発達と愛着に物理的刺激が極めて重要である理由 4/4

虚弱児と刺激不足の幼児への刺激

刺激される環境にある乳幼児の中でも、未熟児は刺激に対して普通よりも敏感であるため、刺激を何とか避けようとします。乳幼児が繊細であれば繊細であるほど、

  • ゆっくり刺激する。例えば、赤ちゃんを腕に抱えてもあまり揺り動かしたり、大きな声で話かけたりしない。または、赤ちゃんを数秒間だけ丁寧にゆっくりと揺り動かして、赤ちゃんの反応を見て、しばらくしてから(2分ほど)再び、揺り動かす。
  • 極めて短時間の刺激を頻繁に与えることから始めて、徐々に時間を長くする(例えば、数秒間だけ揺りかごを揺らし、数分後にそれを繰り返し、日を追うごとに、揺り動かしたり、触れたりする時間を長くする」)。
  • 過度の刺激の徴候に注意する。赤ちゃんが驚いて、そっぽを向いたり、泣き出したりすることがある。刺激を与えた後、赤ちゃんにはしばらく休憩する時間が必要である。赤ちゃんの刺激に対する限界点を探して、最も適切な刺激のリズムをつかむ。リズムパターンは、赤ちゃんによって大きく異なります。

母親の妊娠中のアルコール摂取の影響(胎児性アルコール作用/FAE、胎児性アルコール症候群/FASなど)を患う赤ちゃんは、極めて刺激に敏感で、室内の灯も強すぎるものは避け、周囲をゆっくり動き回り、静かに話し、赤ちゃんが膝に乗っているときは穏やかさを保つ必要があります(刺激に関する詳細は、http://www.nofas.org/living/strategy.aspx (英語))。

胎児性アルコール効果(FAE)と胎児性アルコール症候群(FAS)は、生涯にわたって抱える問題を引き起こします。
薬物の乱用(コカインなどの麻薬)は、妊婦が置かれた環境に関わらず、依然として増加しています。コカイン摂取を原因とする一般的な症状には、多動、食欲不振、頻脈、過度の衝動的行動、不健康な睡眠パターンが挙げられます。その他の典型的な特徴としては、出生体重が少ない、アプガースコアが低い、頭囲が普通より小さいといったことが挙げられます。しかし、これらの症状は、母親の貧窮を原因とすることが多く、生後に普通の養育者に託されれば、これらの問題の多くが解消されます。そのため、(適切な)施設または里親に託さなければならない場合には、生後すぐにそうすることが極めて重要です。

てんかん発作を起こす赤ちゃんへの刺激については、可能な限り、医療専門家と相談しなければなりません。赤ちゃんのてんかん発作は、瞬時の強い刺激によって引き起こされることがあります。

話し合い

10分間

  • 赤ちゃんを養育者に密着させて運ぶことが重要な理由は何か。
  • 日本では、母親が他のことをしなければならないときに、どのような道具(ベビー用品)を利用して赤ちゃんに刺激を与えるのが一般的か。
  • 日中に赤ちゃんがベッドで横になるのは、短時間の自然な睡眠のみに限定するべき理由は何か。
  • 赤ちゃんの通常の脳の活動に最も好ましいと考えられるのは、どのような刺激か。
  • 刺激を与える際に、細心の注意が必要な赤ちゃんはどんな赤ちゃんか。
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