トピックA:日課的な仕事とつながりを教える仕事 1/3
子どもたちは、養育者から、養育者との絆の作り方、養育者に対する健全な愛着の持ち方、物事のやり方、周囲との交流の仕方などを学ばなければなりません。子どもたちは、つながりを教える養育者の姿から、社会的なつながりを覚えます。
この観点から考えると、プロの養育者である施設スタッフは、孤児の人生において最も重要な人物です。
本来そのお手本となる両親がいない子どもたちにとっては、その養育者であるスタッフがお手本になります。そのため、子どもたちは、両親から学ぶべきことを、スタッフから学ばなければなりません。これは、責任を伴う重圧ともなりますが、特別な役割でもあり、スタッフ次第で、人生の良き基盤となる安全基地を子どもたちに与えることができます。
大勢の子どもたちの成長を担うというのは、簡単な仕事でありません。そこで、その仕事について、改めて考えてみましょう。
子どもたちと接する際、スタッフには常に2つの役割が伴います。
まず、子どもたちと遊んだり、服を着せたり、寝かせたり、お風呂に入れたり、おむつを交換したりといった「日課的な仕事」がたくさんあります。
子どもに必要なこと(食べること、寝ること、遊ぶこと)を満たして、日中の行動に自然のリズムを持たせる上で不可欠な仕事です。
それに加えて、子どもに服を着せながら話をしたり、子どもに反応したり、子どもの気を引いたり、子どもたちに微笑みかけて可愛がるといった「つながりを教える仕事」もあります。これもまた、子どもに安心感を持たせ、健全な愛着を促し、一般的な社会的教育と精神的教育を行う上で必要なことです。