トピック B:安心感を与える養育者の在り方 4/5
提案(実践計画のヒント)
- どうすれば、子どもたちとのつながり方(相互の触れ合い、感情への敏感な反応など)を改善できるかについて考える。
- どうすれば、「つながりを教える仕事」に改善をもたらすことができるか、日常的な例を挙げて、話し合う。
- 「つながりを教える仕事」を改善するにあたり、特にどのような問題があるかについて話し合う(例えば、「忙し過ぎる、何か新しいことをするのは困難である、子どもの数に対してスタッフの数が圧倒的に少ないなど)。また、どうすれば、その問題のいくつかを克服することができるかについても話し合う。
- 子どもが安心する養育者の行動を実践するにあたり、どうして従来の否定的な態度が障壁になるかについて話し合う。例えば、
- 「私の両親はいつも私を叱りました。だから、それをしないで済むやり方がわかりません」
- 「あくまでも仕事であるため、子どもとの個人的なつながりを持つべきではない」
- 「私たちには、すべてのことを実践する時間もエネルギーもありません」
- 「子どもたちが私に愛着を感じ始めたら、私が離れようとすると悲しい顔をするし、私も悲しくなる」
この障壁として挙げられた理由は、どれもある程度、もっともな理由ではありますが、改めなければならない考え方や習慣であり、どれも子どもの成長にとって良いことではありません。自分の両親から受けたケアがあまり良いものではなかったとしても、良い養育者になるための実践をすることは、今からでもできることです。
子どもたちと個人的なつながりを持つことや、養育者への愛着を持たせることは、プロの養育者としての仕事に含まれます。愛着の対象となった養育者が子どもから離れようとすると、子どもは確かに悲しい表情を見せることはありますが、それも人生の一部です。誰とも個人的なつながりを持つことを全く覚えないよりは、ずっと良いことです。孤児と接するスタッフは、「親代わりの愛着対象」でもあります。
グループでの話し合い
日常の活動を新しいやり方に、どう整理すれば、「つながりを教える仕事」ができるかについて話し合う。例えば、
- 「時々、忙しいことがあるし、あまり気にかけてあげられないので、仕事を分担してみてはどうですか。そうすれば、気にかける余裕ができますし、もっと構ってあげられると思います。」
- 「子どもの数が多いので、みんなで一緒に何かをしながら、その中で、一人ひとりに気をかけられることをします。例えば、複数の子どもの面倒をみているときは、養育者が1人の子どもと何かをする様子を他の子どもたちがみんなで見られるようなことを考えて、それを毎日(午後)やってみてはどうでしょうか」