Fairstart Global - JAPAN -
家庭外に置かれた子どもたちを養育する施設スタッフおよび里親のための「フェアスタートトレーニング」

トピック B:グループのアイデンティティに関する専門的な仕事 2/5

B. 新しいメンバーの受け入れ - 親代わりのスタッフと子ども

新たにメンバーに加わる子どもたち(幼児以上)には、養育者(その子の親代わりとなるスタッフ)と初めて出会うときに、子どもたちが仲間に加えられていて、受け入られているということを感じられるような話し方をすると良いでしょう。また、文房具などのちょっとしたプレゼントを子どもに与えるのも良いアイデアです。

グループの既存の子どもたちの中から、新たに加わる子どもやスタッフが溶け込めるように「バディ」を一人決めるもの良いアイデアです。

歓迎のスピーチの例:

  • 「今日は、○○ちゃんがグループに加わることを光栄に思います。私の名前は、○○です。○○ちゃんのお父さんとお母さんに代わって、○○ちゃんを育てる役目を授かったので、○○ちゃんは、これから、何か困ったことがあったらいつもで私に相談してくださいね。最初に、○○ちゃんのお部屋を一緒に見てから、他の子どもたちにも ○○ちゃんを紹介するわね。」
  • 「この施設では、お父さんとお母さんが面倒を見られない子どもたちをしばらく預かっているのよ。本当は、○○ちゃんのお父さんとお母さんも○○ちゃんと一緒に暮らしたいと思っているのだけれども、しばらくそれをお休みして、また○○ちゃんと一緒に暮らせるように元気を取り戻さばければならないの・お母さんが病気だったり、お父さんがお酒を飲み過ぎたりとかね。そういうのを毎日見ていると、とても悲しくなるし、怒りたくなっちゃうでしょ?だから、そうしなくてもいいように、ここで暮らすのよ。ここで家族のような生活をしながら、子どもらしく生きることをお勉強するのよ。だから、分かるでしょ?このグループのお友達はみんなそういう経験をしているから、みんなに歓迎されるわよ。」
  • (子どもたちがその場にいるとき、例えば、施設に来て初めての食事のときに)
    「みなさん、今日は、新しいお友だちをご紹介するわよ。この子の名前は、○○くん。○○くんは、○○の出身なのよ。年齢は、○○で、好きなことは○○と○○。○○くんのバディは同じグループの○○ちゃん。これから○○ちゃんが、施設の中を案内してくれるわよ。○○くんのお部屋がどこで、みんなが、どんな生活をしているか教えてくれるわよ。他の子どもたちと仲良くなれるように、○○ちゃんが助けてくれるから安心してね。」
  • 新しいスタッフの紹介:
    「今日は、○○さんをみなさんにご紹介します。幼稚園の保母さんの経験がある○○さんは、これから、ここにお勤めすることになりました。スタッフのみなさんは、ここでの仕事について説明しますが、○○組のみなさんは、○○さんに施設の中を案内して、みんながどんな生活をしていて、みんなが好きなことや苦手なことを教えてあげてくださいね。では、○○さんから、一言ご挨拶をいただきましょう。」

受け入れのプロセスは、子どもがグループの一員であると実感し始めると完了します。また、複数のグループのメンバーであることについて葛藤している子どもには、話をすることが必要になります。例えば、

  • 「○○ちゃんは、ここで暮らしているけれども、時々、週末にお父さんとお母さんのところへ帰れることがあるわよね。○○ちゃんがここにいるときは、ここでの生活の仕方があって、おうちに帰るとまた別の生活の仕方をしなければならないわよね?2種類の生活があって混乱しちゃうわよね。どっちかの味方をしなきゃって思わなくても、○○ちゃんはお母さんと私の両方を好きでいてくれていいのよ。おうちで週末を過ごしてから、ここへ戻ってくると、なんだかちょっと混乱して、疲れてしまうことがあるけれど、心配しないでね。戻ってきてから落ち着けるように時間をかけていいのよ。」

後続の話し合いに向けて、この項目についての考えやアイデアをメモしておいてください(2分間)。

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